上記表でわかるとおり、2種類のバッテリーは異なる用途で活動しています。

それでは、以下で駆動用バッテリーと補機バッテリーの寿命を詳しく紹介します
 

駆動用バッテリーの寿命
 

　駆動用バッテリーの寿命は、走行距離や使用環境で変わります。

しかし、駆動用バッテリーの寿命は5〜8年、走行距離10万kmが目安です。

実際、日本国内でハイブリッド車を販売している主要メーカーは、駆動用バッテリーに対し、以下の保証期間を設けています。

1. 新車登録から5年間

2. 上記期間内での走行距離は10万km以内

　以上のことから、ガソリン車のバッテリーと比較すると、ハイブリッド車の駆動用バッテリーの寿命は長いといえます
 

補機バッテリーの寿命
 

　補機バッテリーの寿命は、一般的に3〜4年が目安といわれています。ガソリン車よりも寿命が長い理由は、ガソリン車のバッテリーと比べて大きな電力負荷がかからないためです。しかし、補機バッテリーは、エンジンの始動に必要不可欠な「ハイブリッドシステム電源」と呼ばれる役割を果たしています。

　当然ながら、補機バッテリーが劣化すれば「ハイブリッドシステム」に電力が供給されないため、エンジンは始動しません。そのため、ハイブリッド車をスムーズに動かすには補機バッテリーも軽視できない重要な動力装置といえるのです。

　このように、補機バッテリーの寿命は比較的長いですが、エンジンの始動に関わる重要な役割を担うため適切な時期での交換は欠かせません
 

ハイブリッド車のバッテリー交換は自分でできる？
 

　ハイブリッド車のバッテリーは、基本的に自分では交換できません。理由は主に3つあります
 

1.駆動用バッテリーは高電圧（100V以上）

　ハイブリッド車の駆動用バッテリーは高電圧です。そのため、専門的な知識と技術がなければ、感電や火災などの事故を引き起こすかもしれません。死亡事故につながる危険もあるため、自力での交換はあきらめて専門家に任せるのが最善です
 

2.特別教育を受講した人しか交換できない

　ハイブリッド車のバッテリーを交換する際は、法律上「低圧電気取扱教育」の受講が必須です。この教育プログラムは、低圧電気に関する基礎知識から実際の取り扱い方法にいたるまでの習得を目指します。

具体的な講義内容は、低圧の電気に関する基礎知識などの学科が7時間、実技指導が1時間、合計8時間のプログラムで構成されています。なお、特別教育を受講するには、10,000円程度の費用が必要です。

　以上の点からわかるように、ハイブリッド車のバッテリー交換は法律により特別教育受講者しか交換できません。そのため、自己解決しようとせずに専門家に依頼することが正しい選択肢といえます
 

3.専用工具が必要

　ハイブリッド車のバッテリーは、ガソリン車とは搭載場所が異なります。トランクルームや後部座席下にあるため、取り外しには専用工具が必要です。こうした専用工具が簡単に手に入らないことも、バッテリー交換を難しくしている要因といえます
 

ハイブリッド車のバッテリー交換にかかる費用相場
 

　ハイブリッド車のバッテリーは、ガソリン車のバッテリーとは仕様が違います。また、駆動用と補機バッテリーと2種類あるため、交換費用がどのくらいかかるのか不安を感じる人も多いかもしれません。ここでは、ハイブリッド車のバッテリー交換にかかる費用感を紹介します
 

駆動用バッテリーの場合
 

　ハイブリッド車の駆動用バッテリー交換費用は、20万円〜60万円が相場といえます。理由としては、交換する部品が高額な点と作業難易度の高さによるものです。なお、駆動用バッテリーは、メーカーや車種により金額差はありますが「メーカー純正品」はとくに高価です

　ハイブリッド車の駆動用バッテリーは、以下の場所で交換できます

1. ディーラー

2. カー用品店（メンテナンス設備が整っている店舗）

3. 整備工場

 

　ディーラーに依頼した場合だと、交換する部品はすべてメーカー純正品に限られます。そのため、適合品を取り扱うカー用品店や整備工場に比べると交換費用が高額になりがちです。整備工場やカー用品店であれば、適合品やリビルト部品も取り扱っているため、コストを抑えられるかもしれません。

　リビルト品とは、使用済みの部品から不良箇所を取り除き、新しい部品に置き換えて再利用できるように修理された部品です。メーカー純正品や適合品と比べて安価なため、コストを抑えたい人にはおすすめです。

　しかし、メーカー純正品以外は対応する店舗によって品質に大きく差がでるため、保証期間や品質を確認する必要があります
 

補機バッテリーの場合
 

　補機バッテリーの交換費用は、一般的に3〜4万円が相場です。この費用は、バッテリー自体の価格と交換作業の工賃を含んでいます。ハイブリッド車の補機バッテリーの交換は駆動用バッテリーと同様、ディーラーやカー用品店や整備工場でできます。

　補機バッテリーはメインバッテリーとは異なり、高電圧や大容量ではありません。そのため、バッテリー自体の費用は比較的安価ですが、バッテリー交換時の工賃が割高となるケースが多いです。

　なぜなら、バッテリーの搭載場所がトランクルームや後部座席下にあり、交換作業自体が難しいためです。ただし、車検や定期点検の際に補機バッテリーの交換を同時依頼すれば、作業工賃を抑えられます
 

まとめ
 

　本記事では、ハイブリッド車のバッテリー寿命と交換費用について解説しました。記事内では、駆動用と補機バッテリーの特徴から自分でバッテリーを交換する際のリスクも具体的に説明しています。

ハイブリッド車のバッテリーは、適切なタイミングと専門業者に依頼することで安全な交換が可能です。
　しかし、バッテリーの寿命や交換費用など、選ぶ業者によって価格が大きく変わります。ハイブリッド車の所有者でまだバッテリー交換をしていない人は、今回の記事を参考に適切なタイミングでバッテリーを交換しましょう